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海外を目指すITエンジニアのための「グローバル・プロジェクト」の実務ノウハウ

ITエンジニアが知っておくべき「海外プロジェクト」の留意点


海外を目指すITエンジニアのための「グローバル・プロジェクト」の実務ノウハウ[第2回]


2018.6.8

五嶋仁

高木右近日向

前回は、日本の常識は通用しない、グローバル・プロジェクトの特徴を紹介しました。今回は、海外プロジェクトの留意点を見ていきます。

日本の便利さを「あたりまえ」と考えない

海外で働くうえで、日本の常識が通用しない事例として会議室の確保があります。

企業の会議室が予約で埋まっていることはよくあることとはいえ、東京や大阪といった大都市ではない地方都市でも、近所の貸し会議室や喫茶店等を探すのは比較的容易なことです。しかし、このような日本の便利さを海外でもあたりまえと思うと痛い目に遭います。

B社がブラジルに初めて進出したときのことです。当初は、工場はまだ建設中で、営業オフィスは仮設置の狭い場所でした。とはいえ、時期的には要件定義を始めるべきタイミング。幸いT社の南米支部の会議室を借りることができてことなきを得ましたが、これは本来、仕事を請ける時点(契約時点)で明確にしておくべきことでした。

ホテルの会議室等を使わざるを得ないなど、日本では見落としがちなさまざまな費用が現地では発生するものです。その他にも、電気代、水道代、通信費、海外手当、場合によっては送迎費用などが発生します。プロジェクト予算を立てる際には、よくよく考慮する必要があります。

長期宿泊が必要な場合(ほとんどの場合がそうです)には、当然宿泊費も請求対象になりますが、考慮すべきは、それだけではありません。周囲にスーパーやクリーニング施設などがあるか、生活用品の確保がされているか(例えば、現地のシャンプー、リンスが合わないという人が多いこと)などについても、しっかり情報を手に入れておく必要があります。

グローバル・プロジェクトで重要となるロジスティック

移動手段の確保も重要です。東京のようにどこでも地下鉄やJRで便利に行けるという都市は珍しいと思ってください。終電も早いです。

タイのあるプロジェクトに参画していたメンバーは、毎日夜遅くまで働いていたのですが、現地のドライバーが親切な人で、昼も夜も嫌な顔ひとつせず、ホテルと工場を往復してくれていたそうです。ところが、ある日、1日に2往復をお願いしたら、「ガソリン代が足りない」と言われたそうです。そのプロジェクトメンバーは、どのような契約になっていたのか知らなかったので、疑心暗鬼になりながらも、その場はとりあえず立て替えました。

プロジェクトマネジメントをする側としては、多数いるプロジェクトメンバーの現地での移動手段の手配をしばしば忘れてしまいます。しかし、このような送迎車等の契約や、社用バスの時間・空き座席数などにも気を配る必要があります。

なお私たちは、施設、会議室、移動手段、生活用品、飲食場所などをロジスティック(兵站)と呼んでいます。もともとは兵隊に物資を届けるという軍事用語です。グローバル・プロジェクトではロジスティックがことのほか重要です。

日本のように至るところにホテルやコンビニがあり、モノが簡単に手に入る国は世界では珍しいことを肝に銘じるのが出発点です。

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